頭は、ひとりで痛まない

頭は、ひとりで痛まない

アタマが痛い

頭痛を経験したことのない人はいない。
そんなことが、いわれます。
それだけ頭痛は、ありふれた症状ともいえます。

いえ、唯一の例外もあるよ、という声もあります。
生まれたての新生児には、頭痛の子はいない。

ですから、新生児をあつかう小児科医だけは、頭痛をみていないとも。
小児科も、もう少しすれば、頭痛をみることになります。
というより、いまや小児科の世界も、頭痛でなやむ患者さんが増えています、

頭痛になやむ人は少なくありません。。
それだけ多いということは、解消法の決定版もなかなかない、ということを示しています。
なぜなら、原因が多彩だからです。
症状の出方も、多彩だからです。
同じ人が、いつも同じパターンということもありません。

頭痛のタネ
これは、頭痛の原因や治療法を考えるさいにもいえそうです。

頭痛の見方

キンキュー性を要する頭痛。
医療の世界では、まず、ここから入るように教育されます。
ここを見落としてしまうと、大変なことになりかねないからです。

くも膜下出血。
脳脊髄膜炎。

これらに時間的猶予はありません。
ただちに専門的治療にはいらねばなりません。
ただし、幸いなことに、そうそう出会う疾患ではありません。

多くの頭痛は、すぐには命にかかわりません。
すぐには命にかかわらない。
しかし、長く長く、あるいは何度も苦しめられることがあります。
もう何年も、何十年も、頭痛とつきあっている。
そういう方も、おられます。

なんとかならないものか。

頭痛に悩まれるかたは多いです。
そのため、頭痛薬には、多種多彩なものがあります。
ドラッグストアでも、大きな場所をしめています。

それが、うまく効いてくれることがあります。
ほとんど、効いてくれないこともある。

どんな頭痛にも「頭痛に◯◯◯◯」で解決できるわけではありません。

アタマの役割

アタマが痛い。
すると、どうしてもアタマに注目がいきます。
だって、痛いのがアタマなんですから。

そこで、頭痛薬をためしてみる。
これで解決がつくなら、それでオーケーです。
アタマに、頭痛の原因があったようなので。

問題は、頭痛薬で解決がつかないときです。
頭痛薬が効かないよ。
こういうことも、少なくありません。

なぜ効かないのでしょうか。
こういうときは、アタマから少し離れてみるのも大切かもしれません。

アタマは、何のためにあるのでしょうか。
じつは身体中のいろんな訴えをきく場所でもあります。
そこを見落としていると、大切なことが見えなくなってしまいます。

足が痛い。
それを感じとって訴えるのも、アタマです。
心配で、胸がドキドキして眠れない。
それを感じとるのも、アタマです。

やがて、足の痛みが、胸のドキドキが、「アタマが痛い」に変わってくることがあります。

信じられないかもしれませんが、その後、「アタマが痛い」ということだけが残ることもあります。
原因の場所は、おちついてしまっているのに。


すると、アタマをどうにかしても、解決に結びつかない。
原因が、ちがうからです。
こういうことも、めずらしくはありません。

視点をかえる

身体のほかの不調が、アタマが痛いという症状になってあらわれている。
こういう視点も、大切です。

とくに、なかなかよくならない頭痛。
長びく頭痛。
こんなときは、ひょっとしたらアタマ以外に原因があるのかも。

とくに着目したい身体のほかの症状というのがあります。
ここの不調は、しばしば頭痛という訴えになりがちです。

冷え
肩こり
めまい
ムカムカ感
下痢

ほかにも、身体のバランス不良体力低下などもあります。
ストレスという抽象的なこともあります。

いろんな「アタマ以外」の症状が、頭痛という訴えになってきている。

こういう場合は、ソチラの対応をすることでアタマが休まることもしばしば。
また、ソチラの解決をはからなければ解決しないということも。
アタマは、独立した器官ではありません。
そのことを忘れないようにしたいと思います。