イメージ
漢方薬ときいて、どんなイメージをもたれるでしょうか。
古くさい。
にがい。
効果がうさんくさい。
効かない。
まずい。
こういうイメージであれば、もしかしたら「あわない」漢方薬を飲んだ経験があるからでしょうか。
あるいは、まだ経験がないとか。
漢方薬の世界では、「あう」「あわない」という見方があります。
「あわなかった」ら、不快になります。
「あっていた」ら、幸せになります。
まさに、「人間関係」と同じです。
ちがい
漢方薬は、西洋病名と一致はしません。
たとえば、「インフルエンザ」だから「ナントカ湯」という処方はありません。
というのも、インフルエンザという概念のない時代につくられたからです。
では、何を根拠につくりあげられた世界なのでしょうか。
それは「状態」です。
ある「状態」で、苦しい思いをしている。
それを、さる「状態」にもっていって、楽になれないか。
その手助けの手段としての生薬の集まり、として工夫されてきたのが漢方薬です。
その工夫の歳月が、2千年あまり。
「熱」と「フシブシの痛み」と「ゾクゾク」のそろった状態で、苦しい。
なんとかしてほしい。
「ホッ」とできる状態になれないか。
そのためには、コレコレの生薬をまぜて飲めば、いいかも。
そういう流れと工夫で成立してきたものが、漢方薬です。
昔と今
漢方薬の世界は、そのために「状態」をどうみるかが大切です。
むかしは、その手段として、脈をみて、オナカをさわり、ベロをみました。
この伝統は、いまも残ってはいます。
ところが、現代は、もっとたくさんの「状態の見方」ができます。
血液検査や、画像検査や、病理検査などです。
病気の基本はかわっていませんが、「状態の見方」は、おおきく変化しています。
それを実践しているのが、現代漢方の特徴です。
つまり、いにしえの漢方とはちがう手法で、「状態」をみることができる時代になっているということです。
漢方の世界では、現代も「いにしえ漢方」の手法をとる流れがあります。
まだまだ、けっして少なくはありません。
一方、「現代の手法」で状態をみる「現代漢方」があります。
当クリニックでは、後者の流れで、漢方の活用もおこなっています。
マッチング
なんらかの不快な「状態」がある。
たとえば、腰が痛いとか。
たとえば、冷えが不快とか。
たとえば、疲れがぬけないとか。
そういった「状態」を、かえてみたい。
そこで、漢方薬をためしてみます。
やはり「まずい」。
そうであれば、漢方がまずい、ととらないでください。
「自分にはあっていない漢方薬」ということです。
あわないから、まずい。
人間関係と、同じです。
自分にあっていれば、自分を「いい状態」に導いてくれます。
そして、体は自然に反応してきます。
「これは、おいしい」。
自分にあった漢方薬は「おいしい」。
自分にあわない漢方薬は「まずい」。
そして、同じ病気であっても、「あう」人、「あわない」人がでてきます。
病名が同じでも、「状態」が同じということではないからです。
「おいしい漢方」に出会えるということは、すてきな人と出会えるのと同じです。
自分を、よりよい状態にみちびいてくれます。
自分にあう漢方薬に出会えると、新しい「状態」へとステップアップが可能です。
当クリニックでは、漢方治療も活用させていただいています。