まず、ひとつ目
血液検査は、病気の反映に役立ちます。
「フツー」じゃない値が、でたとき。
もしかしたら、身体の中で、「フツー」じゃないことが起こっているかもしれません。
(ただし、「フツー」でも、5%の方は、基準値からはずれています)。
血液検査項目は、いまや、数千種類を超えています。
多すぎて、ついてゆけません。
その中で、臓器や病気に密接な関係をもつ項目というのがあります。
肝臓の機能がおとろえると、変化しやすい項目。
貧血がすすむと、変化してくる項目。
膵臓の変化で、あらわれやすい項目。
関節リウマチの勢いと相関しやすい項目。
それらの変化は、ときに実際の病気に先んじて、見られることがあります。
それを利用して、病気の早期発見に役立ちます。
また、じっさいの病気になってしまったとき、その病勢を映し出すこともあります。
そのため、病気の変化を追うのにも、役立ちます。
ここで、止まらないで
血液検査を受けた。
みんな、基準値に入っていた。
どうやら、病気の心配はなさそうだ。
よし、オーケー。
血液検査を受けた。
いくつかが、基準値からはみ出していた。
なにか病気があるのかもしれない。
気になるので、さらに検査を深めてみよう。
あるいは、検査のことは、じきに忘れてしまう。
そんなに心配しなくても、大丈夫だろう。
この3通りが、血液検査を受けたあとの、典型的な行動です。
その判断に、「基準値」が大きな役割をはたしています。
血液検査の結果が、基準値に入っているか、いないのか。
「入っている、入っていない、それが問題だ」
まるで、ハムレットのセリフです。
でも、じつはここで終えてしまっていると、とてももったいないのです。
もうひとつの、血液検査活用法を、忘れないでください。
栄養評価、という目
わたしたちの身体をつくる中心物質は、タンパク質と脂質です。
タンパク質が、50%くらいをしめています。
脂質が、40%くらいをしめています。
ただし、この計算に、水分はふくめていません。
そのため、タンパク質が足りないと、身体の維持ができません。
筋肉や骨の質が、落ちていってしまいます。
身体をつくる脂質がたりないと、命にかかわることもわかっています。
それでは、自分には、これらがちゃんととれているでしょうか。
ということも、実は、血液検査でみることができます。
これを、血液検査による「栄養評価」といいます。
これが、血液検査の第二の活用法です。
栄養評価では、血液検査票の「基準値」に、意味はありません。
みんなの平均値で判断しても、仕方がないからです。
自分だけの評価が大事です。
栄養は大事
自分の栄養状態の評価。
これが、すこし片寄っていたり、過不足がみられている。
といっても、実際には、あまり自覚されにくいものです。
栄養状態は、かなり特別な状態になるまで、「病気」としてはあらわれにくいからです。
でも、自分の身体や活動に、直接かかわっているものです。
なにしろ、自分のボディであり、エンジンであり、燃料ですから。
そうです、身体(ボディ)だけの問題ではありません。
感情も、意欲も、栄養状態の反映です。
睡眠だって、栄養状態の反映です。
つまり、栄養状態は、ふだんの「くらし」に深く関わるものでした。
その過不足の放置は、病気の下地になるものです。
ですから、自分の栄養状態を把握しておく。
それにも、血液検査が、有用です。
その評価にあわせて、食事を考える。
それにあわせて、日々の活動性も考えてゆく。
本物の病気が出てくる前に。
これが、「生活の質」を向上させるコツにもなります。
栄養評価にご興味がありましたら、お問い合わせください。
(田村)